ご挨拶
私たちは、日本一の水揚げ高を誇る銚子港で水揚げされた魚を使い、鮮魚出荷・塩干・惣菜などの加工を行っています。国産の天然魚は新鮮で質が高いだけでなく、畜産物に比べて環境負荷が小さく、栄養も豊富です。
この海の恵みを活かしながら、サステナブルな食卓に貢献するために、銚子で水産加工に取り組む若手メンバーが集まり「全銚子3K(環境・健康・飢餓)問題勉強会」を立ち上げました。食の抱える三つの大きな問題を、水産加工や流通によって解決することをゴールとして活動してまいります。
全銚子市水産加工業協同組合
全銚子3K(環境・健康・飢餓)問題勉強会
代表 松岡 良司
銚子サバの特徴
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01
温室効果ガスの排出量が少ない
私たちは、東京大学農学生命科学研究科との共同研究により、日本ではじめて水産加工品のカーボンフットプリント(CFP)を計測しました。銚子産のサバ1kgを、東京に出荷する場合、カーボンフットプリントは1.91kg-CO₂e(CO2換算の排出量)となります。植物性の食材の排出量は一般に、落花生で2.5kg、大豆(豆乳)で0.9kg(CO2換算)ほどのため*、銚子のサバは植物性の食材と同じくらい環境負荷の低い食べ物と言えます。
*Poore and Nemecek (2018)による、各国データの平均をとったもの。 -
02
健康に良い栄養分が豊富
銚子沖では、暖流の黒潮と寒流の親潮がぶつかり、世界屈指の好漁場が形成されています。豊富なプランクトンを食べて育った銚子の魚は、私たちの身体に必要な栄養分をたくさん含んでいます。特に、銚子沖で多く水揚げされるサバやイワシなどの青魚は、DHAやEPAといった必須脂肪酸を多く含んでおり、この脂肪酸は健康や美容に有用な働きが期待できます。適度に摂取することで様々な疾患の予防や機能向上に繋がります。
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03
生産にあたって穀物を消費しない
肉1kgを作るためには、鶏肉で4kg、牛肉では11kgもの穀物が必要と言われています。世界中で畜産物の需要が高まるにつれて、穀物の需要も高まっており、主食として本来必要とされる分が行き渡らなくなるおそれもあります。一方で天然魚は餌やりをしない即ち、穀物を必要としません。適切な資源管理をすれば半永久に再生産される資源です。世界の人口が増え続ける中、食用に利用できる穀物が増えて飢餓の解消にも貢献します。
私たちが大切にすること
全銚子2030ビジョン
全銚子3K問題勉強会では、1年間の議論を経て、持続可能な地場産業としての取組に向けて、3つの重要課題(マテリアリティ)を定めました。
水産加工品は、人の手によって価値が生まれます。私たちの仲間である人材の力を最大限に発揮するため、働きやすい職場環境づくりにつとめます。また、お客様にとっても食の価値を高められるよう、水産加工品の栄養価を発信してまいります。
【取り組み事項】
- 1.すべての従業員にとって、働きやすい職場環境の整備を進めます。
- 2.若手の力を活用し、経営の変革を進めます。
- 3.水産加工品の栄養価を発信し、心身を豊かにするライフスタイルを提案します。
私たちは、魅力ある企業が豊かな地域をつくると自負しています。江戸時代から歴史を持つ水産加工品の一大産地として、これからも地域への貢献 めていきます。
【取り組み事項】
- 1.若手の人材育成を通して、地元で就職する若者を支援します。
- 2.組合として地域一帯でサステナビリティを推進します。
- 3.収益性向上を通して、地域への経済的・社会的貢献を深めます。
質の高い天然魚を将来にわたって利用できるよう、水産資源の管理に努めます。また、カーボンフットプリントの少なさをさらに伸ばせるよう、製造工程や流通全体の省資源化に努めます。
【取り組み事項】
- 1.水産資源の責任ある調達を通して、天然魚の資源保護に貢献します。
- 2.製造工程の省エネ化・省資源化を進め、環境負荷を低減します。
- 3.カーボンフットプリントに着目した情報発信と実践に取り組みます。
重要課題の特定プロセス
2022年8月から2023年2月にかけて、勉強会の若手メンバーでワークショップを行いました。
自社だけでなく、顧客・取引先・地域・環境など、多様な 関係者(ステークホルダー)の視点で、影響度の大きい課題を検討・整理しました。
SDGsとのかかわり
全銚子市水産加工協同組合は、私たちの日々の取り組みが、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できると確信しています。私たちは、持続可能な漁業方法の採用、環境保全の推進、地域社会の発展に尽力し、海の健康と人々の福祉を同時に向上させることに取り組んでいます。
お知らせ
- 2024/1/22
- Webサイト「銚子の魚で始めよう!ライトな食生活」が公開されました。
Webサイトを見る
- 2023/11/2
- 銚子市の広報誌に掲載されました。
取材記事を読む
- 2022/12/1
- 水産経済新聞に掲載されました。
水産経済新聞リンク
- 2022/11/25
- 日本学術会議公開シンポジウム「水産からカーボンニュートラルの未来を展望する」に登壇しました。
日本学術会議公開シンポジウムリンク
私たちについて
団体名 | 全銚子市水産加工業協同組合 |
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住所 | 千葉県銚子市川口町2丁目6529-4 |
電話番号 | 0479-25-4800(代表) |
主な事業 | 組合員における冷凍保管事業及び指導事業 |
組合員 | 銚子市周辺の水産加工会社20社 |
※全銚子市水産加工業協同組合は、銚子市で水産加工業を営む企業が協働を行うための団体です。